大判例

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広島高等裁判所 昭和30年(う)145号 判決

しかし、行為の正当性は法の許容する範囲内においてのみ認めらるべきものとすべきところ、被告人の本件文書頒布は、昭和二九年五月二日施行の松永市長選挙に際し二人の候補者のうち一方に利益によつて立候補を断念させようとしたことを疑うに足る事実があつたので、同市有権者の選挙権を防衛しようとした意図もあつたことは記録上窺い得ないではないが、本件文書が同選挙に際し候補者小田喜士夫に当選を得しめる目的を以て作成せられたいわゆる選挙運動のため使用する文書であることは、押収の本件文書(証第一号)の記載自体に徴し明白であり、且つ原判決認定の如く被告人が該文書を右目的を以て頒布したことは記録上これを認めるに十分であるから、本件文書頒布行為は、たとえそれに如上の意図が併存していたとしても、公職選挙法第二四三条第一項第三号第一四二条第一項に該当し、同法違反として有罪を免れず、正当行為とはなし難い。論旨は理由がない。

(裁判長判事 柴原八一 判事 尾坂貞治 判事 池田章)

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